98年の長野オリンピックで金メダルを獲得した、元スピードスケート選手の清水宏保さんは、現役時代ひどい腰痛にずっと悩まされてきました。
 
最初に腰を傷めたのは、大学2年生のときです。
 
ハードな練習をした日の夜、ぎっくり腰になってしまったのです。
 
(清水さんの著書「金メダリストが考えた 世界一の腰痛メソッド」9~13ページを参考にしています)

すぐ整形外科に行き対処しましたが、一週間の安静が必要でした。
 
痛みがひいて徐々にトレーニングを再開するも、疲れが溜まるたびにぎっくり腰が再発してしまいます。
 

 
清水さんの腰を決定的に悪化させたのは、01年の冬に遭遇した交通事故です。清水さんの運転する車が、横から別の車に突っ込まれたのです。
 
衝撃はものすごく、清水さんいわく「これまで感じたことのない腰痛」に苦しめられることになります。
 
体重をかけると足の甲がズキズキ痛み、歩けなくなります。
 
トイレに行くのもやっとで、壁伝いにどうにかトイレに入っても、「大」をした後はお尻を拭くのにも時間がかかります。
 
重度の腰椎変形すべり症になっていたのです。
 
これはソルトレイクシティ・オリンピックの三カ月前の話で、「金メダルは確実」と言われていましたが、体調はこれほど厳しかったのです。痛みと闘いながら練習を重ねた結果、本番では銀メダルを獲得します。
 
その後はあらゆる治療法を試し、手術も経験します。
 
痛みを和らげるための試行錯誤も繰り返し、どうにか腰痛と付き合っていける状態にまで改善させました。
 
しかしすべり症の影響で、現在でも30分連続で立ち続けていると足がしびれてきます。じっとしていると筋肉が固まってくるため、講演などでは歩きまわって筋肉を動かしています
 
清水さんいわく
 
「講演のとき落ち着きがないのは、そんなわけです」
 
なのだそうです。