少し前の記事ですが、ついにきた、という感じの報道がありました。
 
トランス脂肪酸、米で規制へ「心臓病の原因」
yomiuri.co.jp/science/news/20131108-OYT1T00430.htm
(現在この記事は削除されています)
 
記事の一部を引用させて頂きます。

米食品医薬品局(FDA)は7日、マーガリンなどの加工食品に含まれるトランス脂肪酸の規制に乗り出す方針を明らかにした。心臓病の原因になると指摘されており、「安全ではない」と判断した。
 
トランス脂肪酸は、液体の油を固体に変える際に生成する分子で、ケーキや揚げ物などにも含まれる。
 
体内に入ると、血液中の悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす働きがあるため、摂取しすぎると動脈硬化が進行、心臓病になりやすくなる。 
 
米疾病対策センター(CDC)は、トランス脂肪酸の規制により、年間2万人の心筋梗塞を防ぎ、心臓病による死者を7000人減らすことができると推定している。

トランス脂肪酸については当サイトでも「循環器系に悪い」との主旨で何度か話題にしています。
 
ヨーロッパでは厳しく規制されている印象があったのですが、このたび米国でも同様の動きが始まっています。
 
 
トランス脂肪酸はマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングに多く含まれています。
 
私は食品を買う際には必ず成分表示を確認し、トランス脂肪酸を含んでいる場合は購入していません。
 
(トランス脂肪酸入りの食品を摂らなくなったら、胸の動悸を感じなくなったのは、気のせいでしょうか?)

なぜショートニングが広く使われているのか

南 清貴氏の「じつは体に悪い19の食習慣(レビューあり)」という本を読みました。
 
この中に、トランス脂肪酸を含むショートニングが好んで使われる例が挙げてありました。
 
以下に引用して紹介します。

ある百貨店のイベントで出店していたカレーパンのお店の例を、お話ししましょう。それは、私が実際に見た中で、最もひどいものでした。
 
催事は一週間ほどありましたが、その間、一度も揚げ油をかえなかったのです。
 
なぜそんなことが可能かというと、ショートニングを使うから。ショートニングには、クッキーをサクサクにしたり、揚げ物をカラッと仕上げたりする働きがあります。
 
そのお店では、油が劣化してくるとショートニングを加えていたのです。それも大さじ何杯というレベルではなく、大きなヘラのようなものですくって大量に。
 
そうすると、油が真っ黒になるまで劣化していても、表面だけはカラッと揚がり、おいしそうなカレーパンができてしまうのです。

残念ながら、日本で販売されている食品の多くにトランス脂肪酸が含まれています。
 
試しに、コンビニなどで洋菓子製品の成分表示を確かめてみて下さい。
 
ほぼ100%の割合でショートニングやファットスプレッドが含まれているのではないでしょうか。
 
個人的には、日本でもショートニングに対する規制を始めるべきだと思うのですが、食品業界の抵抗は激しいでしょう。食品の製造コストが上がってしまいますからね。
 
このへんは意見の分かれるところですので、消費者それぞれの判断次第、ということになります。