2016年の春、ジビエの肉で肝炎が増加しているという記事がありました。

豚の生食禁止してもコッソリ?…E型肝炎患者が2倍強に 注目ジビエの生食も一因か
sankei.com/life/news/160430/lif1604300007-n1.html
 
流行しているジビエ(野生の鳥獣)料理が原因でE型肝炎が増えたのです。

生レバー・生肉提供禁止後も減らないE型肝炎

同年1月から4月10日までのE型肝炎患者は116人で、前年同期の2.2倍にも上りました。2017年以後はあまり話を聞きませんが、鎮静化したのでしょうか?
 

 
2012年に牛レバ刺しの飲食店での提供が禁じられました。
 
それ以後、代わりに豚肉の生レバーを出す店が増え、比例してE型肝炎の感染も増加しています。
 
これを受けて、厚労省は2015年6月、豚の生レバーや生肉の提供を禁止しました。
 
感染は減少するかと思われましたが、予想に反して6月以降も患者は増え続けてしまいます。
 
考えられている理由としては・・・

・こっそり豚生肉を提供している飲食店がある
 
・生肉提供が禁じられていないシカやイノシシなどジビエの生肉が食べられている

 
などが考えられています。
 
厚生労働省は、ジビエの生食をガイドラインで禁じていますが、強制力はありません。
 
E型肝炎は多くで自然治癒しますが、時には急性肝不全へと悪化し、死を招くこともあります。特に妊婦や高齢者は注意が必要です。
 
感染予防には、手洗いと肉・内臓の十分な加熱が欠かせません。
 

 
ジビエ肉はまだそれほど一般的ではありませんが、政府はジビエの利活用を進めています。
 
ジビエ振興 法律に 特措法改正で明記検討 鳥獣害減へ自民党議連 (2016/3/26)
agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=36753
 
今後は流通量の増加が予想されるため、適切な食べ方を知っておきましょう。
 
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