口内細菌は虫歯を引き起こすだけではありません。
 
心臓に細菌が感染する心内膜炎という病気があります。心臓弁膜が破壊されたり、血栓を生じたりして命にかかわる怖い病気です。

この病気の原因のひとつに、口内細菌があります。
 
歯肉から出血したり、抜歯したとき、細菌が血管に入り込み血液にのって身体を循環して心臓に感染するわけです。
 

 
老人養護施設などでは、お年寄りの口腔洗浄を念入りにすると肺炎の罹患率が大幅に少なくなることが知られています。
 
人間は一日600回ほど嚥下を行い、老人になるとこの能力が弱ってきます。するとむせたりして、唾液の細菌が気管にはいり込みやすくなり、気管支や肺に細菌が感染するリスクが上がるのです。
 
歯肉が健康であれば出血することも無く、口中が清潔であれば細菌の数も少ないので、仮に唾液が気管に入っても肺炎等を発症しにくくなります。
 
歯磨き等で口腔衛生を心がけることは、虫歯を予防するだけでなく思わぬ病気を予防することにもなるわけです。