管理人個人的には、昔はノロウイルスという言葉自体を聞いたことがありませんでした。

2000年代に入ってしばらくして、急に取りざたされるようになった感があります。
 
昔から食中毒は発生していましたが、別の原因(ボツリヌスとかサルモネラとか)ばかりでした。ノロウイルスは近年になって突然活動的になったのでしょうか。

ノロウイルスの特徴 感染力は強い

ノロウイルスには、こんな特徴があります。
 
感染力が強く、食中毒の原因としては、かなり厄介な部類に入ります。

・直径は30ナノメートル(1ナノメートルは100万分の1ミリメートル)でウイルスの中でも小さい部類に入る。
 
・感染力は非常に強く、100個以下の少量でもヒトに感染する。
 
・感染者の便や嘔吐物には1gあたり100万個から10億個という大量のウイルスが含まれ、この便や嘔吐物を介して感染が拡大。
 
・口から入ったノロウイルスは小腸粘膜の細胞に感染し、腸管内で増殖する。 栄養の吸収に関係している組織を破壊、粘膜の剥離を引き起こし、下痢を起こす。
 
・乾燥していると感染力が強くなる。06年に西日本で感染が拡大したのも、秋の降水量が少なく乾燥していたからという説がある。
 

 
06年から07年の冬の流行はヒト→ヒト、あるいはヒト→食物→ヒトという経路がほとんどでした。




ノロウイルスの潜伏期間と症状 どれくらいで回復?

ノロウイルス胃腸炎は乳幼児から老人まで感染し、感染すると数時間から、長くても2日くらいの潜伏期間を経て発症します。
 
主な症状は吐き気、おう吐、下痢で便に血液が混じることはまれです。
 
腹痛、頭痛、発熱、悪寒、筋肉痛、咽頭痛などを伴うこともありますが、熱はあまり高くなりません。
 

 
小さい子供には嘔吐が多く、成人は下痢の症状が多くなる傾向があります。
 
嘔吐・下痢ともに1日数回から10回以上も続く時があります。嘔吐物に緑色の胆汁が混じる場合も。
 
症状は数時間から数日(1~2日)続いた後回復に向かいますが、高齢者は重症化するおそれがあるので油断なりません。
 
ノロウイルスはその症状の激しさが近年は注目されています。ひどい目に遭った旨の体験談をネットなどで多く目にします。




ノロウイルス感染を防ぐには

吐しゃ物や排泄物には7~10日間ノロウイルスが大量に混じります。そのため、これらの処理を行った際には二次感染しないよう細心の注意が必要です。
 
ノロウイルスの感染予防の第一は手洗いですが、せっけん自体にはノロウイルスの活動を止める作用はありません。しかしウイルスを手から流し落とすことができるのでせっけんは必ず行いましょう。
 

 
ノロウイルスによる食中毒を防ぐには、食品の中心温度を85度以上にして1分間以上の加熱を行えば有効とされています。
 
食器や調理器具を殺菌する際には熱湯(85度以上)か塩素による殺菌が有効とされています。
 
さらに念をいれるなら、二枚貝を調理する器具は専用のものだけを使いましょう。




何度も感染するノロウイルス 理由は?

ノロウイルスは「何度も感染する」のも大きな特徴です。
 
麻疹(はしか)は1度かかると免疫ができるため、以後麻疹ウイルスには感染しなくなります。
 
しかしノロウイルスは1~2年後にまた感染する、さらには同じシーズンに二度感染するケースまであるのです。
 

 
この理由として、

・1回目の感染で免疫ができても、その効果が長続きしないため、1~2年後に再感染してしまう。
 
・ノロウイルスには遺伝子の違いで30以上のタイプがあるため、1回の感染で免疫ができても、別のタイプにまた感染してしまうから。

 
といったものが考えられていますが、詳しいことはわかっていません。
 
ノロウイルスに関する記事などを読んでいると、「詳しいことはよくわかっていない」ことがかなり目につきます。
 
ノロウイルスの流行期は毎年冬から3月ごろまで続きます。食品の加熱、手洗いを励行しましょう。