米国で肥満治療薬なるものが承認されたのはご存じでしょうか?
 
食欲を抑える作用により体重減少を図るのですが、個人的にはちょっと微妙な感じです。

同じく肥満対策である胃のバイパス手術と共に紹介します。

効果はイマイチ?な肥満治療薬 それでも米国で需要あり

似たようなニュースは以前もお知らせしていますが。
 
MSN産経ニュース
米で13年ぶり肥満治療薬承認 エーザイ子会社が販売へ 食欲抑制作用
sankei.jp.msn.com/science/news/120628/scn12062810100000-n1.htm
(2012年6月の記事です。現在は削除されています)
 
記事のポイントをまとめます。

■米食品医薬品局(FDA)は肥満治療薬「ロルカセリン」を承認した アメリカでの肥満治療薬承認は13年ぶり
 
■死亡に至る副作用が過去に確認されたことから、肥満治療薬の承認は厳しくなっていた
 
■ロルカセリンは食欲を抑える作用があり、臨床試験では平均で年間3.3~3.7%の体重減少が確認された

 
アメリカの抗肥満薬は「アリ」が以前発売されています。
 
「アリ」は、脂肪が体内の臓器に沈着するのを防ぐ作用があり、三食ごとに服用します。食事制限と併用し、半年間で2.3kg~4.6kgの減量が期待できるとされています。
 
 
肥満治療薬についての記事を読むたびに感じるのですが・・・
 
効果がいまいちパッとしないと思いませんか?
 
「アリ」は食事制限と併用して半年間で2.3kg~4.6kg
「ロルカセリン」は年間3.3~3.7%
 
の体重減だそうで、ロルカセリンは体重100kgの人が1年間飲み続けて96kgちょっとになるだけです。
 
たったこれだけ?と感じるのは私だけでしょうか。歩く距離を増やすなど、一日の活動量を増やして一年間続けるだけでも同じかそれ以上のダイエットができそうな気がします。
 
 
とはいえ、私からするとイマイチに思える薬でも、アメリカでは必要とされているようです。(もちろん、需要の見込みがないとそもそも発売されないでしょうが)
 
MSN産経ニュースさんの別の記事をどうぞ。
「脱肥満」の声虚しく アメリカ人が太るのはなぜなのか?
sankei.jp.msn.com/world/news/120514/amr12051408300001-n1.htm
(この記事は現在閲覧できません)
 
この報道によると、

■2030年にはアメリカ人の42%が肥満(BMI指数30以上)になる
 
■「極端な肥満」とされるBMI指数40以上の人も、2030年には11%に達する BMI40では身長165cmなら体重は110kgになる

 
かなり昔から言われ続けている「肥満大国アメリカ」のレッテルは、今後もしばらく消えそうにありません。
 
こんな状況では、たとえわずかであっても、体重が減ると確認されている薬ならば需要があるのでしょう。
 
 
糖尿病はじめ生活習慣病が増えている日本も、対岸の火事では済まないかもしれません。
 
幸い日本では、「太ったから薬で痩せよう」という考えよりも、カロリー制限および適度な運動が推奨される気運が高いと感じます。
 
薬を使わずとも、ダイエットできる工夫はいくらでもできます。管理人としては、やせるために薬を飲む必要はないと考えています。

胃のバイパス手術 術後は悲惨なことにも

上の「アメリカで肥満治療薬発売」と関連した話題をひとつ。
 
このサイトで以前紹介した「おいしいハンバーガーのこわい話(レビュー多数あり)」から、強烈なインパクトのあった「胃のバイパス手術」について。
 
胃のバイパス手術は、病的な肥満の人が胃の容積を外科手術で小さくして、身体に吸収される栄養量を少なくする手術です。内臓の構造を変えて、強制的にダイエットするために施されます。
 
重度肥満とされる人が多いアメリカでは、もはやメジャーと言える手術になっています。
 
日本で行われたとの話はほとんど聞きませんが、もしかしたら「やせられるのなら、やってみようかな?」と興味のある方がいるかもしれません。
 
私に言わせてもらえれば・・・
 
 
胃のバイパス手術など、とんでもない話です。絶対受けるべきではありません!(力説)
 
 
「おいしいハンバーガーのこわい話」から、この手術を受けるとどのような生活を強いられるか、ポイントを挙げます。
 
■ガムは噛めない 万が一飲みこんだら再手術が必要になるため
■内出血、血栓、感染症等の合併症、神経の損傷といった危険性が高い
 
■手術を受けた100人にひとりは、30日以内に死亡するとの統計もある
■手術後は、大量のビタミン剤を飲み続けなくてはならない(飲み忘れたら命に関わる)
 
■炭酸や糖分の多い飲料は飲めない
■食事は一回に、ほんの二~三口だけ
 
「こわい話」には、手術を受けたアメリカの少年(16歳ですよ!)の実例が紹介されています。
 
なんともまぁ、可哀そうな話です。言っても仕方ないですが、そんなことになる前に肥満を止められなかったのか、と気分が重くなります。
 
日本人の場合、胃のバイパス手術が必要になる前に、糖尿病を発症してしまうと考えられます。糖尿病では様々な合併症のリスクが高まり、食事も大きく制限されることを考えれば、バイパス手術と大差はないかもしれません。
 
暴飲暴食を続けていると、結局辛い思いをするのは自分自身です。「普通の生活」をいつまでも続けために、適度な節制を心がけるべきではないでしょうか。