アスベストと中皮腫・石綿肺(塵肺)症状

アスベスト(石綿)は断熱性や耐熱性に優れているため、かつて建築資材などに広く使われました。
 
しかしアスベストの生産やアスベストを使った建設作業に従事した人に健康被害が相次ぎ、その危険性が明らかになりました。
 
アスベストを吸い込むことで起きる病気に「中皮腫」があります。
 

これは肺を包む胸膜などにできるがんです。中皮腫は胸膜のほかにも心臓を包む心膜、消化器を包む腹膜にもできます。
 
胸膜中皮腫は息切れや胸の痛みといった症状が出ます。早期に発見できれば片方の肺と胸膜を取り出すことで根治する可能性はあります。
 
しかし手術は難易度が高く、しかも術後に十分な生活の質が保てないといった問題点もあります。放射線治療、化学療法(中皮腫治療薬のペメトレキセドとシスプラチンを併用する)などの治療を行います。
 
欧米ではペメトレキセドという抗がん剤が、シスプラチンという既存の抗がん剤との併用で胸膜中皮腫の薬として承認されています。
 
 
アスベストは肺がん、石綿肺(塵肺)もひき起こします。石綿肺はアスベストの繊維が肺の奥に突き刺さって線維化し、呼吸が困難になる病気です。
 
いずれも吸い込んでから発病までの潜伏期間は10年~数10年と非常に長いのが特徴です。
 
 
政府は05年7月29日に当面の総合対策をまとめましたが、内容は不十分で、政府だけでなく、地方自治体や石綿工事を行った企業も情報を全て公表すべきだとの批判もあります。
 
 
アスベスト被爆は、生産や工事などでアスベスト関わった人だけでなく、工事が行われた近隣住民にも及び、患者が出ています。
 
厚生労働省によると、2004年度に労災認定されたケースのうち肺がんは59件、中皮腫は129件にのぼります。
 
悪性中皮腫の増加は顕著で、死亡者数は95年ごろから増加し始め、03年には年間8千人を超えました。
  
この増加は、2035年ごろに年間約4千人のピークに達し、悪性中皮腫の死亡者数は2040年までに約10万人に達すると考えられています。
 
 
石綿(アスベスト)で古くから利用されているものに白石綿、青石綿、茶石綿の三種類があります。
 
国内の産出量はほとんどゼロに近く、輸入が始まったのは1930年代からといわれています。74年のピーク時には35万トンが輸入されました。
 

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