葉子クリニック院長の内山葉子医師は、体の不調を訴える人には「パンと牛乳をやめて下さい」とアドバイスすることが多いそうです。
 
というのもパンや牛乳は、腸の炎症を引き起こし、さまざまな病気の原因になると考えられているからです。

(このコンテンツは雑誌壮快 2017年 4月号(Amazon)44~45ページを参考にしています)

消化されにくいたんぱく質の弊害

内山医師によると、不調を訴える患者さんの食生活は、パンやパスタが好きで、牛乳を毎日飲むというケースがとても多いそうです。
 
パンやうどん、ピザといった小麦製品や、牛乳やヨーグルト、チーズ、アイスクリームなどの乳製品には、それぞれグルテン、カゼインという消化されにくいたんぱく質が含まれています。
 

 
これらが分解されないまま腸に入ると、腸内のペーハーバランスが崩れて腸内環境が乱れます。すると、便秘や下痢の原因になるのです。
 
また、未消化物は腸で発ガン性物質を発生させ、大腸ガンや肝臓ガンのリスクを上げるとの指摘もあります。




腸の炎症とリーキーガット症候群

さらにもうひとつ大きな問題は、未消化物が腸粘膜の炎症を引き起こすことです。
 
腸に炎症が起きると細胞同士の結合が緩み、本来は体内に通すべきではない物質を通してしまう、リーキーガット症候群(腸漏れ)と呼ばれる現象が起きます。
 

さまざまな病気を引き起こすリーキーガット症候群

分子量の大きい未消化物が腸から漏れ出ると、体はそれを異物と判断し、免疫の過剰反応が起きます。するとアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、ぜんそくなどのアレルギー性疾患を招きます。
 
さらには、”異物”を攻撃するための抗体も体内に作られるようになり、場合によってはこの抗体が正常な臓器や組織まで攻撃してしまうこともあるのです。
 
その結果…

・関節が攻撃を受けると関節リウマチ
・脳が攻撃されると多発性硬化症、小脳失調、めまい、頭痛
 
・甲状腺なら橋本病
・腸なら潰瘍性大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群
 

 
といった自己免疫疾患を発症することもあるのです。
 
腸に炎症が起きると、炎症物質が全身に運ばれてしまいます。上で挙げた疾患以外にも、体のどこかに何らかの不調を起こすリスクは上がるのです。
 
最近では、子供の異常行動、うつなどの精神疾患も、リーキーガット症候群により脳や神経がダメージを受けているために発症するのではないかと考えられているそうです。




パンや牛乳は主食にしてはダメ

こうした理由から、内山医師は「パン(小麦)や牛乳はやめるべき」と主張し、「やめられないならあくまで嗜好品として、たまに食べる程度に」としているのです。
 
理想的な食事は、何といっても主食はご飯です。おかずは加工品を避け、腸の善玉菌のエサになる野菜をしっかりとりましょう。
 
この条件が満たされれば、和食でなくとも洋食でもOKです。
 

 
「小麦粉のパンではなく、米粉のパンを食べ、豆乳を飲むのは良いですか?」との質問に対しては、内山医師は
 
米粉の米は無農薬栽培か、豆乳の原料の大豆は遺伝子組み替えではないかを見極める必要があります」
 
と答えています。
 
※管理人注
リーキーガット症候群(腸漏れ)に関しては、疑義を呈する主張も多く存在します。
 
当コンテンツの内容は主張のひとつとして参考にして下さい。