写真家の山岸伸さんは08年の12月、糖尿病の血液検査を受けたところ、白血球の数値に異常が見つかり、白血病と診断されました。
 
同年の6月ごろから目が回ることが多かったそうです。

09年3月に入院し、特効薬グリペットによる治療を開始しています。
 
(このコンテンツは平成24年1月7日 九州スポーツ新聞の記事を参考にしています。以下の内容は記事掲載当時のものです)


グリペットの効果は個人差が大きいのですが、幸い山岸氏には効果を発揮し、白血球の数値が抑えられました。
 
しかし薬の副作用はひどく、現在でも下痢や吐き気、目のむくみなどが山岸さんを襲います。食事・投薬の後は1時間半、下痢や吐き気と闘いながら横になり、トイレにこもる毎日なのです。
 
疲労もたまりやすくなったので、夜9時には就寝します。
 
体や目への負担を減らすため、09年以降は液晶パネルファインダーの小型カメラを主に使用しています。それでも撮影中、目に力が入ると血管が切れ、眼球が血で真っ黒になったこともあります。
 
グリペットが永遠に効き続けるとは限らず、医師からは今後の容体は体力次第と告げられています。何かの拍子で急性転化する可能性もあります。
 
現在は「いつ死んでもいい」という心境で、資料や資産などの身辺整理を済ませ、すでに自身のお墓も青山墓地に購入しています。
 
一方で、15年やめていたタバコを最近になってまた吸い始めました。さらに、これまで魚と野菜中心の食生活だったのが、二日に一度は揚げものや肉を食べるようになり、お酒も三日に一度は飲んでいます。

「悪いのはわかるけどあえてやめないようにする。ストイックに鍛えて死んだら納得いかない」

のだとか。
 
もはや怖いものが無くなり、苦手だった飛行機でも今は平気で眠れるようになりました。

「今はただ倒れるまで写真を撮り続けたい。次何撮ろうって見つけ続けたい。次倒れたら死ぬのはわかっている。でも、もともと人間は寿命がある。悟りは開いた。祭りの準備はできている」

山岸さんの悲壮な覚悟が伝わってきますが、私としてはちょっと腑に落ちない点も。
 
どうして喫煙を再び始められたのでしょうか?
 
15年も禁煙していたのであれば、ニコチンの禁断症状は、まず無かったはずです。それなのになぜ?
 
酷な言い方かもしれませんが、山岸さんは多少自暴自棄になっているのでは?
 
病気と闘っている本人の心境はわかりませんが、タバコを吸うことが白血病を克服する助けになるとは私には思えないのです。
 
「本人が良ければそれでいい」という意見もあるでしょうが、医師はどう考えているのでしょうか。